マグネットシートとブロッキング現象

車体にマグネットシートを貼ったまま放置すると起きる最大といっても良いぐらい困るトラブル「ブロッキング現象」について実際の(クルピタスタッフのやらかし)事例と共にご紹介

ほんとうにあった!スタッフのやらかし事例1

マグネットシートの接着走行テストの為にクルピタ社内にて実際の0.8mm厚マグネットシートを車に貼って走らせてみよう!
と、いう事でクルピタスタッフAさんの車でマグネットシートを貼ったまま普段通りに車を利用してもらいました。

車に貼るマグネット

テストをお願いしてから半年ほど経ったある日…

あれ?まだマグネットシート車に貼ってる。
もうテストも終わったしマグネットシートは外したら?

マグネットを着けてる事忘れてました!結局マグネット一回も落ちずに走行できてましたね!ではもうマグネットシートを車から外しちゃいます!

…………あれ? …なんか?マグネットが外れない…
……えいっ‼‼(力技

マグネットが車にこびり付く1
マグネットが車にこびり付く2

車体に磁力とは違う力でこびり付くマグネットシート!普通には剥がれないので力強くマグネットを引っ張ってみるとシートからマグネットが剥がれて車体の方にマグネットが残ってしまいました!!

なんでこんな事になった!?ちゃんとマグネットシートは管理してた??

え?…テスト期間中ずっと貼りっぱなしで一回もマグネットを外してませんよ!
貼ってる事も忘れてたので…放置してました…

スタッフAさんはあろうことか走行テストをしていた半年間もマグネットシートを車に貼りっぱなしで過ごしていたそうです!マグネット専門店のスタッフとは思えないズボラなマグネット管理!


ほんとうにあった!スタッフのやらかし事例2

マグネットシートの[車体と色合わせサービス]で色合わせしたマグネットシートを1ヵ月で色の変化はあるのか検証の為のテストを計画。
と、いう事でクルピタスタッフの車でマグネットシートを貼って試してみる事に。嫌な予感しかしませんが…この車、スタッフAさんが乗り換えた新しい車なのである。

マグネットの色合わせ

テストをお願いしてから1ヵ月ほど経ったある日…

お願いしてから1カ月経ったけど色って変化はありましたか?

いや、マグネットに色の変化は無いですね~相変わらず車体と同じ色です!
…………あれ? …なんかマグネットじゃなくて車体の色が変わってる…

今回は簡単にマグネットは剥がれましたが、なんだか車体の青色がマグネットを貼ってた箇所だけモヤがかかったような白い色に変色していました!
車体カラーの日焼けならマグネットを貼ってた箇所だけ濃くなるのはわかるけど、マグネットを貼ってた所だけが色が薄くなっています。
この白いモヤは洗剤などで洗ってみてもまったく変化がないので汚れなどでは無いという事。
いったいこれはどういう事でしょうか…。

なんでこんな事になったの⁉ちゃんとマグネットシートは手入れしてた??

え?手入れ…?ずっと貼りっぱなしにしてましたよ!

前回の反省はないのか…マグネットの貼りっぱなしはダメです!

ズボラが過ぎるスタッフAさんは前回の失敗の反省も無く、またも1ヵ月間マグネットシートを貼りっぱなしに。
今回はマグネットシートがこびり付きはしませんでしたが車体の色が変わってしまいました。

今回わかった事は[Aさんはズボラである]という事と、
マグネットシートを貼りっぱなしにするとマグネットまたは車体に不具合が起きる]という事例でした。
Aさんの事はさておき、マグネットシートと車体に何が起こったのでしょうか!?

実はコレ違う二つの現象ですが、どちらの現象も[ブロッキング]という現象なのです!

マグネットシートのブロッキング現象

なぜ起きる?ブロッキング現象

マグネットシートのブロッキング現象、これはマグネットシートを高温かつ長期間車に貼った状態で放置する事で起こる現象です。
なぜマグネットシートを貼りっぱなしにするとブロッキングが起こるのでしょうか?

これはマグネットシート製造工程で使われる[可塑剤(かそざい)]による現象なのです。可塑剤とは硬い樹脂やゴムを柔らかくするための添加剤の事です。可塑剤を添加する事によって硬くなった分子の結合の間に入り込んで結合を緩めて樹脂やゴムを柔らかくします。これは固まった粘土に水を加えて柔らかくする時と同じで、水の役割が可塑剤です。マグネットシートの可塑剤はシートのゴムを柔らかくするために利用されています。

この可塑剤ですが樹脂を含んでいる物に移行する性質があります。また、沸点は高いですが高温になると可塑剤が揮発や性質が変化しやすくなります。
そして実は車の塗料には樹脂が利用されています。

これらの性質・状態をまとめてみると…

  • マグネットシートには可塑剤が含まれている事
  • 可塑剤は樹脂に移行しやすい事
  • 車体は日中高温になる事
  • 少しずつ移行する可塑剤入りのマグネットを貼りっぱなしな状態
  • 車体の塗料は樹脂素材

車体に貼りっぱなしにしたマグネットシートは
可塑剤が移行してマグネットがブロッキングする条件が完璧に揃っています!!

日中の車体が熱い時間にマグネットを貼る事で性質が少しずつ変わり、さらに長時間貼りっぱなしにする事で車体とマグネットシートの密度が高くなり、ブロッキング現象が起こるのです。

ブロッキングが起きるとどうなる?

マグネットシートは上記の条件でブロッキング現象が起こります。ではブロッキング現象が車体で起きた場合どうなるのでしょう?
マグネットシートでブロッキング現象が起こると冒頭にお伝えしたスタッフAさんの車で起こったマグネットの付着や塗料の変色が発生します。実際に起きるブロッキングの症状や対応についてご紹介

ブロッキング現象その1:車体にマグネットシートが付着する

これは高温な環境でマグネットシートに使われている可塑剤が車体の塗料の方へ移行する事によってマグネットシートと車体が密着度がどんどん上がっていきます。この間にマグネットを長期間外さずに放置する事で可塑剤の移行が進み、くっついてしまいます。

また、可塑剤の成分はマグネットシートを柔らかくする性質を補っています。この可塑剤が車体樹脂に移行するという事はマグネットシートの可塑剤が減るという事。結果マグネットシートがどんどん固くなっていきます。車体に密着した状態でマグネットが硬化してしまうので剥がそうとした際に[マグネットは車体に、塩ビステッカーがマグネットから剥がれる]という状態になってしまいます。

マグネットシートの固着

必ずマグネットシートは使用上の注意をご確認のうえ、こまめにお手入れ頂く事でブロッキングの発送を防ぎ、マグネットシートを長くご使用頂く事ができます。

車体にこびり付いた時の対処
実際にマグネットシートがブロッキング現象で車体にこびり付いた場合どうすればよいのでしょう?
基本的にはスルっと簡単に落とす方法は無く、マグネットシートを温めてマグネットを柔らかくして剥がしていくしかありません。車体に固くくっ付いていますが車体を傷つけないないようにゴムヘラなどを使って慎重に剥がしてください。

固着したマグネットの剥がし方

①まずは温めてマグネットを柔らかくします
温める方法としてはドライヤーを当てて温めてる。または80℃程度のお湯をシートにかけて温めると水分による軟化効果もあってお勧めです。

②隙間を作って剥がしていく
温めて柔らかくしたマグネットシートを破らないように持ち上げ、隙間にゴムヘラなどを刺し込み剥がしていきます。
この時シートは千切れやすいので注意して作業が必要です。

③地道に繰り返し
マグネットシートはスグに冷めて硬くなるので繰り返し温めなおして少しずつ剥がしていきます。こびり付きが酷いと剥がすのが大変ですが、丁寧に作業を行ってください。(車体が傷つく恐れがあります)

注意
車体の塗装状態によってはマグネットを剥がせなかったり、塗装自体が剥がれたりする場合があります。

ブロッキング現象その2:車体の塗装が変色する

マグネットシートに含まれる可塑剤が塗料の樹脂に移行する事で塗料の膜が変色してしまい、色が白くみえたり塗料自体が変色したりする現象です。

ただ、マグネットシートによる車体の変色はブロッキング現象以外にも起こる場合があります。
マグネットシートを貼りっぱなしにする事で車体とマグネットの間に水が溜まる事で、長期間塗装に水が触れた状態になります。この時太陽による急激な温度変化などによって塗料の膜に細かな凹凸が出来る事で白くモヤがかかったように見える[ブラッシング現象]という物があります。
ただ、どちらの現象にしてもマグネットシートを貼りっぱなしにする事で起きる現象なので基本マグネットシートは週に数回取り外してこまめな手入れが必須です!

ブロッキングによる色褪せ

マグネットが変色したらどうする!?

塗装を基の色に戻す改善策はありません。ただ、今回の事例のAさんの車は2週間程度でに白いモヤはなくなりました。これは可塑剤の移行がまだ軽微な状態だったからだと思われます。必ず変色が無くなる物では無いので変色してしまった場合は専門の業者にお願いする必要があります。

ブロッキングの色褪せが消えた
マグネットシートの使用上の注意
マグネットシートをご利用頂く場合は使用上の注意をしっかり読んでご使用ください!